裏口入学の斡旋詐欺

刑事|詐欺事件|不当利得返還請求|民法703条

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 関連事例集
  4. 参考条文

質問:

裏口入学の斡旋料を払いましたが、受験に失敗しました。

回答:

大学医学部などの裏口入学の斡旋をするということで、数百万円~数千万円の斡旋料を取り、受験に失敗してしまうという詐欺事件が頻発しています。

 法律的には、裏口入学斡旋の契約は公序良俗違反で無効ですし、渡したお金は不当利得返還請求(民法703条)できる場合もありますが、判例の中には、不法原因給付(民法708条)として返還義務を否定した事例もたくさんあります。

 学校関係者を通じて合格発表の数日前に合否を確認し、依頼者に伝えるだけの斡旋業者も多いようです。たまたま合格していた場合は追加の謝礼を受け取り、失敗していた場合は斡旋料の一部を返還するというものです。このような業者に依頼しないのが最良の選択ですが、騙されてお金を支払ってしまった場合は、不動産・預金仮差押の上、不当利得返還請求訴訟を起こす方法があります。また、相手方業者を詐欺罪で刑事告訴する手段も考えられます。

不当利得返還請求に関する関連事例集参照。

以上

関連事例集

Yahoo! JAPAN

※参照条文

民法

(不当利得の返還義務)

第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

(悪意の受益者の返還義務等)

第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。